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北朝鮮がカンボジアで運営している北朝鮮レストラン(以下、北レス)の1店舗が閉業したことがわかった。昨年1月に国連安保理で採択された対北朝鮮制裁決議2270号の影響と見られるが、今後も各地の北レスが苦境に陥ることが予想される。

美貌のウェイトレスの人気爆発

北レスの美貌のウェイトレスは、現代韓国の女性には見られない古風でしとやかな立ち居振る舞いで、男女問わず、中年の韓国人、そして一部の日本人の北朝鮮マニアを魅了していた。近年では、特に容姿端麗なウェイトレスの写真がネットで出回り、韓国の若者たちの間でアイドル並みの人気を博している例もある。

(参考記事:美貌の北朝鮮ウェイトレス、ネットで人気爆発

北朝鮮は、カンボジアで複数の北レスを運営している。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、閉業したのはシェムリアップにある「平壌親善館」。シェムリアップは、世界文化遺産のアンコールワットのお膝元ということもあり、年間訪問者数が200万人を超える世界的な観光地だ。市内には平壌親善館と平壌冷麺館の2つの北レスがあり、それぞれ23人と26人の北朝鮮従業員が勤めていた。

その平壌親善館が、一番の上客だった韓国人観光客が激減したことが致命傷となり閉業に至ったという。シェムリアップ韓人会のチャン・ウォンピョ事務局長によると、昨年10月頃に、いきなり閉店したとのことだが、この事態は予想されたことだ。

性的サービスも

韓国人観光客の激減を招いたのは北朝鮮の相次ぐ核実験とミサイル発射だ。国連安保理では昨年1月、対北朝鮮制裁決議2270号が採択された。韓国政府はその翌月、自国観光客に北レスの利用自粛を呼びかけた。制裁の影響からか、現地ガイドも北レスへ行くことを拒否していたという。こうした逆風によって、昨年6月の時点で平壌親善館には閑古鳥が鳴いていた。

筆者は2013年に両店舗を訪れたことがある。当時は、平壌冷麺館が大盛況で平壌親善館もそれなりに客入りは悪くなかったが、その後、随分様子が変わったらしい。

客が激減する中、店舗側も相当苦労したと伝えられる。店舗側は北朝鮮本国から要求される厳しいノルマをこなす義務があるからだ。北朝鮮がレストランを運営する目的は外貨稼ぎだ。儲からない店を、コストをかけて維持する理由は本国にはまったくない。

昨年4月、中国浙江省寧波市の北レス「柳京食堂」から脱北した男性支配人と女性従業員ら13人も、やはり厳しい労働環境と本国から課せられる無茶な外貨稼ぎのノルマに耐えかねて脱北を決意したといわれている。中国国内の別のある北レスでは、ノルマを達成するため、店側がウェイトレスらに性的サービスを強要するケースもあるという。

北朝鮮は手っ取り早い外貨稼ぎとしてレストランに人的資源を投入してきた。それもままならなくなる中、低年齢の実習生らしき女性をウェイトレスとして各地の北レスに送り込んでいるという。

あの手この手で苦境を乗り切ろうとしている各地の北レスと北朝鮮当局だが、今後の見通しは暗いだろう。もちろんこうした状況を作り出した張本人は、核とミサイルに固執する金正恩党委員長だ。

ソース: http://news.livedoor.com/article/detail/12635781/



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